侵入口
床下がコンクリートでも実際にシロアリの被害があります。一体どこから侵入しているのでしょうか。現在主流の「ベタ基礎工法」の床下を見てみます。下の画像には前途に説明した蟻道が上がっている事が確認できますね。この床下が「ベタ基礎工法」である証は金具が付いていますから一目瞭然です。
シロアリは木材を求めていますが木材自体を食べているのではなく「セルロース(=植物の細胞壁及び繊維)」を求めています。断熱材や発泡スチロールには恐らく木と同じような成分が含まれているようで、実際現場では断熱材等の食害がある現場によく遭遇します。そちらの画像もありますので見てみましょう。
断熱材にシロアリの食痕が見られます。
一部をカットして中身を見ると・・・しっかり食べていました
居住空間にシロアリの食害があるのに蟻道が上がっていなかったのでおかしいと思い配管の断熱材をカットしてみました。すると配管下から蟻道が上がっている事を確認。
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床下には下へ流す為の配管等が必ず設置されていますがそうした物もシロアリの侵入できる隙間が必ずあります。
左の画像をご覧下さい。
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左の画像は基礎を作る際に敢えて施す「水抜き穴」です。
新築施工時に雨が吹き込んで水が溜まってしまう事があるのでこうして穴を空けます。
仕上げに穴を埋める代用品で木片が突き刺してありました。そしてその木片はシロアリの餌となっていたようです。
加圧注入土台
鉄骨造床下画像-
土台と言う材は建築物の荷重を支えその荷重を基礎から地盤面へ伝える役目を果たしています。つまり建物の中で最も高い耐久性が求められる材です。
木材を防腐・防蟻処理をする方法には「木材表面を塗布する」・「薬液に浸す」・「圧力を加えて強制的に染み込ませる」の3つの方法があります。
画像をよく見れば土台に均一な切り込みが入れてある事が分かりますね。これは薬品が効率よく浸透する為に施されている訳です。そして防腐防蟻処理された材料である証でもあります。
しかしながら薬品はいつまでもそこにある訳ではありません。時間とともに「分解」・「風化」等で無くなってしまいます。画像のお宅は築10年。既に薬剤処理された土台にシロアリの生息を意味する「蟻土」が盛られておりました。
某お宅(既設)の玄関
近年建物の構造が随分変わって来ました。それに伴いシロアリの侵入経路にも変化が見られます。以前は水廻りからの侵入が大変多かったですが、現在は玄関から侵入してくるケースが多く見られます。
何故玄関から侵入するのか?その理由は構造上隙間が生じてしまう事が挙げられます。建物は完成に近づくと玄関ステップが設置されます。
隙間が確認できる画像をご覧下さい。
某新築現場の玄関ステップ
阪神大震災の後に取り上げられましたが、建物が崩壊した多くはシロアリの食害がある木造住宅でした。
薬剤を散布すると言う事柄を「環境に良くない」とおっしゃる方がおられますが建物にシロアリが侵入してから「駆除する」と言う施しをすると沢山のシロアリを殺す事になりますし、多くの薬剤を必要とします。逆に「予防」と言う施しをすれば薬剤量も必要最低限でしかも”侵入したシロアリのみ”を殺す事になります。
地球環境と言う視点から見れば現在お使の木材をいつまでも使用されて「木を一本でも切らない」事の方がずっと地球に優しいと当社は考えています。