シロアリ
「シロアリ」と聞けば家屋を加害する昆虫として知られていますが、本来は「植物遺体」=(切った木材・枯れてしまった木・落ち葉等)を食べて生活している社会性昆虫で、熱帯から亜熱帯まで陸上のほとんどの地域に分布しています。
家屋に侵入する種類は限られており、自然界において重要な分解者として不可欠な存在です。地球上にシロアリの存在が無ければ山林はまさにゴミの山になってしまいます。
昆虫網・シロアリ目・ミソガシラシロアリ科・ヤマトシロアリ
一般の方が何かのきっかけでシロアリを見かけると「ウジ」の様なものが・・・(???ハエの幼虫???)と口にされる方が多いです。
こうして見ると脚は六脚 触覚を持っており立派な昆虫だと確認できます。
蟻道(=ギドウ)
鉄筋コンクリート造の床下画像
上記画像に基礎から土台にかけて2本ラインのような物が見られますね。これは「蟻道」と呼ばれるもので名前の通り「蟻の道」です。シロアリ自らが出した分泌物や土砂・食物偏等を練り合わせたものでトンネルのような構造になっています。
シロアリはこの蟻道と呼ばれるトンネルを利用する以外の移動は決して行いません。乾燥から身を守る為に構築され、私達が床下を拝見する際に、シロアリの生息の有無を確認する大きな手掛かりとなります。
右上画像にあるべきない位置に土のような物が盛られている事が確認できます。これは「蟻土」です。前途にもご紹介しましたが、シロアリは乾燥に弱いので食害部分に隙間がある場合もこうして土等を運び込み生息に適した環境を作ります。
蟻道・蟻土はいずれも土やシロアリ自らが出す分泌物、食物偏等を練り合わせてものです。こうした蟻土も建物内にシロアリが生息している・いないの大きな手掛かりとなります。
シロアリ自身が出す分泌物はリグニン(木に含まれる成分)と呼ばれる物質が含まれておりとても丈夫に造られます。
群飛(=グンビ)
シロアリは普段人目に付かない場所で暮らしていますが、毎年春になるとシロアリは結婚飛行の為に人の目に付く場所に現れます。出現するのはだいたい4月~5月頃・・・(*ヤマトシロアリ)雨が降った明日の午前中、風もなく湿度があり人が蒸し暑く感じる日に一気に飛び出してきます。こうした事柄を群飛と言います。
飛び出した翅アリは結婚相手を見つけるとツガイになって新たな生息地を目指し飛び立ちます。新たな生息地を見つけたペアは自分の翅を落とし新しい巣を形成していく訳です。ですからこれらが次世代の女王・王となります。